工場に水冷式クーラーを導入すべき理由とは?空冷式との違いや安定した冷却能力のメリット
- 投稿日:
- 更新日:
夏場の工場内は、屋根からの日射や生産設備からの発熱により、極めて過酷な高温環境になります。「一般的な空調(空冷式エアコン)を導入しているが、真夏になると効きが悪くなる」「室外機からの排熱がこもって余計に暑い」といった課題を抱えていませんか?
このような課題を解決する手段として検討されるのが「水冷式クーラー」です。本記事では、水冷式クーラーの基礎知識から、空冷式との決定的な違い、工場に水冷式を導入することで得られるメリットについて詳しく解説します。
1. 水冷式クーラーとは?
水冷式クーラーとは、空気ではなく「水」を冷媒(または冷却源)として利用し、熱を移動・放出する冷却システムのことです。
一般的な空冷式エアコンが空気に熱を逃がすのに対し、水冷式は熱伝導率が空気の約24倍と極めて高い「水」に熱を逃がすため、熱移動の効率が非常に良いという特徴を持っています。これにより、限られたスペースでも高い冷却能力を発揮できます。
2. 「空冷式」と「水冷式」の決定的な違い
工場用の空調設備を選ぶ上で、空冷式と水冷式には以下のような仕組み・性能の違いがあります。
2-1. 外気温の影響を受けにくい「安定した冷却能力」
- 空冷式:外気(空気)を使って冷媒を冷やすため、夏場に外気温が35℃や40℃近くに上昇すると、排熱がスムーズに行えなくなります。その結果、エアコンの冷房能力が著しく低下し、肝心な猛暑日に「冷風が出ない」「冷えが悪い」という問題が起こります。
- 水冷式:一定温度の水(地下水や冷却塔の循環水など)を用いて熱を奪うため、外気温がいくら上昇しても冷却能力が低下しません。常に安定した冷風を供給し続けることができるため、過酷な夏場の熱中症対策において非常に信頼性の高い方式です。
2-2. 屋内への「排熱の放出」がない
- 空冷式(スポットクーラー等):室外機を置けない室内にスポットクーラーを置く場合、排熱ダクトから大量の熱風が室内に吹き出されます。これにより、冷やしている場所以外の室温が逆に上昇するというジレンマが生じます。
- 水冷式:熱はすべて水(配管を流れる地下水など)に回収され、屋外や排水口へそのまま流されていくため、室内に一切の排熱を排出しません。空間全体の温度上昇を防ぎつつ、必要な場所だけを効率的にピンポイント冷却できます。
空冷式と水冷式の比較表
| 項目 | 空冷式(一般的なパッケージエアコン/スポットクーラー) | 水冷式(井水式ユニットクーラーなど) |
|---|---|---|
| 冷却方法 | 外気との熱交換(空気で冷やす) | 水との熱交換(水で冷やす) |
| 猛暑時の冷房能力 | 低下しやすい(外気温に依存) | 安定している(水温に依存) |
| 排熱の影響 | 室外機周辺やダクトから熱風を放出 | 室内への排熱放出はゼロ(排水として排出) |
| 熱交換効率 | 低い(空気の熱伝導率が低いため) | 高い(水の熱伝導率が高いため) |
3. 工場で水冷式を検討する際の選択肢と「井水式」の合理性
工場に水冷式クーラーを導入するにあたっては、主に以下の2つのアプローチがあります。
A. 冷却塔(クーリングタワー)やチラーを利用する循環システム
工場内で水を循環させ、冷却塔(空水熱交換)や冷凍機(チラー)で水を冷やしながらクーラーに送るシステムです。大規模な工場で一括導入されるケースが多いですが、冷却塔・チラーなどの高額な本体設備や、冷凍機を動かすための多大な電気代が必要となります。また、水処理剤の使用などメンテナンスの手間も発生します。
B. 地下水(井戸水)の冷熱をそのまま利用する「井水式」
井戸から汲み上げた約17℃前後の地下水を、クーラー内の熱交換器に一度だけ通し(ワンウェイ)、熱を奪った水をそのまま別の用途(製造プロセスや融雪・散水など)に回すか排水する方式です。
この方式(ジャパンクリーンプラントが提供する井水式ユニットクーラー)であれば、高価なチラー(冷凍機)も、水を冷やすためのコンプレッサーも不要です。地下水を汲み上げるポンプと、クーラーのファンを回すだけの最小限の電力で稼働するため、ランニングコストを圧倒的に低く抑えることができます。
4. 水冷式クーラー導入時の注意点
水冷式クーラーは工場において優れた効果を発揮しますが、導入時にはいくつか知っておくべき注意点があります。
工事手配はお客様にて実施
JCPでは水冷式(井水式)クーラーの機器本体の設計・製造・販売を行っておりますが、設置(据え付け)工事や、水源(地下水や工業用水など)から機器までの配管工事は行っておりません。
これら工事につきましては、導入される企業様にて地元の配管・設備工事業者様をご選定の上、手配していただく必要があります。
水源(水量・水質)の確保
水冷式を稼働させるためには、当然ながら安定した水量が継続的に供給される必要があります。特に地下水を利用する場合は、必要な流量が確保できる井戸設備が必要となります。また、極端に硬度が高い水やシリカなどの成分が多く含まれる水では、配管内部に結晶(スケール)が固着しやすいため、定期的な熱交換器の洗浄が必要になる場合があります。水質に懸念がある場合は、事前に分析や適切なろ過装置等の検討を設備業者様と行うことをおすすめします。
工場の空調・省エネ対策でお困りではありませんか?
現場調査・シミュレーションは無料で承ります。
「うちの工場にはどの設備が合う?」「どれくらい電気代が下がる?」など、どんな小さなことでもお気軽にご相談ください。
専門スタッフがお客様の工場の状況に合わせて最適なご提案をいたします。